頸椎には6個の椎間板が存在し、椎間板は靭帯最大の無欠血管組織であり、傷の自然修復は期待できません。

椎間板に生じる傷は加齢によって蓄積され、椎間板を構成する組織の変性が発生・進行します。

椎間板内にある水分容量が低下し、そこに繰返し応力が加わると線維輪に亀裂が生じる。この亀裂した部分から髄核と言われるゼラチン状の組織が外部に脱出することで、脊髄や神経に圧迫が加わり神経症状を生じるようになります。（脱出型椎間板ヘルニア）

また、髄核が外に出なくても繊維林全体が膨隆することで周囲の組織に向かってはみ出すタイプがあります。（膨隆型椎間板ヘルニア）

椎間板には神経終末はないため痛みが生じませんが、髄核が線維輪の外側に逸脱する事で小血管と神経を侵害することで痛みや神経症状を感じるようになります。

圧迫される場所によって、それぞれ上肢に痺れが現れますが、頚椎椎間板ヘルニアには無症状の場合もあります。

無症状性の椎間板ヘルニアは年齢が上がるにつれて増え、60歳以上の男性で30%、女性で20%認められています。

X線の場合では、椎間板が変性していることがわかるが、ヘルニアを生じているか判断できないため、MRIの所見が最も有用です。

どの椎間板がヘルニアを生じているか、発生部位によって痛みやしびれ、あるいは神経麻痺を生じる部位が異なるため重要となる。

和整骨院では知覚・筋力・整形外科テスト（ジャクソンテスト、スパーリングテスト）を行います。

(例)頸椎5番・6番の椎間板ヘルニアの場合

・左前腕から母指にかけて痺れ・痛み
・手首を背屈（上に曲げる）の筋力低下

※頸椎椎間板ヘルニアの画像所見と一致しない場合もあります。

腰椎ほどではないですが、頸椎椎間板ヘルニアでも脱出した髄核成分が自然吸収されることがあります。

また、急性期発症の神経根症は、2~3週間で改善するケースがあるため、まずは保存療法で経過を見ることが第一選択となります。

新座市和整骨院の治療では、牽引療法を行う場合、急性か慢性か判断してから行います。なぜなら、急性期に牽引療法を行うことで、症状がかえって強くなる場合があります。慢性期に行うと有効なことがあり、リハビリを行う上で注意が必要になります。

頚椎椎間板に負担がかかる原因として、急性期は交通事故やスポーツ外傷などが考えられ、慢性期はストレートネックなどの姿勢不良が考えられます。

慢性的な頸椎椎間板ヘルニアの場合、頸椎に直接施術するのは危険な場合があるため、症状に合わせて直接治療していきます。

また、ストレートネックになっている可能性が高く、胸椎が後湾姿勢になっている可能性があるため、首や肩の柔軟性だけでなく胸椎の関節や背中の筋肉を緩めていきます。

・症状が重い方には、PNF療法をしていきます。

PNF療法とは、非常に微弱な力で筋肉に刺激を与え、神経の反射弓を利用して行う治療法です。関節のゆがみの調整・筋肉の走行バランスの調整・神経圧迫の緩和・血流の促進を行います。

これにより、筋肉・関節の痛み、炎症性の痛み、神経性の痛み、内分泌性の痛み等が改善されます。

また、神経・筋肉の賦活作用により、筋肉強化・神経伝達の正常化等の効果も期待できます。

当院におけるＰＮＦ療法とは、神経筋整合法というＰＮＦ理論を母体に、 春日スポーツ医学研究所・春日啓先生により研究開発された独自体系を有する療法です。

ですから一般のＰＮＦの筋力増強や運動能力向上だけにとどまらず、痛みの治療に特に効果を上げています。