股関節全面、恥骨結合、下腹部、鼠経靭帯周囲、内転筋周囲、骨盤底などに広がる疼痛を主訴とする病態をさし、アスリートに好発します。典型的な症状の誘発動作として、サッカーのキック、短距離走、スケーティング、腹筋トレーニング、内転筋トレーニングなどがあげられます。

自覚症状の部位は、鼠経部62％、大腿近位内側53％、下腹部25％、大腿直筋近位16％、睾丸後方15％、坐骨部11％、恥骨結合２％です。広範囲かつ多彩な症状を呈するスポーツ障害の類であります。

グローインペインの原因は、スポーツ活動中の股関節へのメカニカルストレスの集中が関与されています。

例えば、サッカーのキック動作の際、キック足のバックスイングのみの体の使い方をしてしまうとグローインペインになりやすいため、体幹の回旋を連動させたキック動作を習得することで股関節のストレスを分散させることができます。

つまり、胸椎の可動性や体幹の安定性など、股関節に集中しないような動作パターンを習得する必要があります。

前述のとおり、広範囲かつ多彩な症状を呈するスポーツ障害のため、診断は困難です。MRI検査によって検出可能な器質的損傷と検出不可能な機能的疼痛に分類されます。

また、検出可能な損傷を見つけても検出不可能な部位の損傷を合併している場合があります。

グローインペインは一般的には難治性で、長期間の競技離脱を強いられます。FAI、関節唇損傷、関節軟骨損傷、腸腰筋インピンジメントなどほとんどの症例において股関節屈曲位やパトリック肢位において疼痛と可動域制限が生じます。

そのため、症状が多彩でターゲットが絞りにくいことと、個々の症状のメカニズムがいまだはっきりしていないため長期間の競技離脱になりやすいです。

和整骨院では、股関節のストレスを集中的にならないように全身の可動域や運動機能の改善に取り組みます。

グローインペイン症候群の治療にはいまだ解明されていない部分が多く、エビデンスが低い傾向にあり、臨床上の経験値が求められます。

薬物療法、物理療法、マッサージ、ストレッチ、ハリ治療などの受動的な治療は再発率が高く、治療成績は低い傾向があるというデータがあり、和整骨院では、マッサージやストレッチで股関節や胸椎関節の可動性の確保をしていくうえで、運動療法を炎症症状に合わせて段階的に取り入れていきます。

和整骨院では、以下のような治療段階を踏んでいきます。

・可動域の確保
股関節前面の癒着、滑走不全がある筋肉（腸腰筋、長内転筋、薄筋など）のマッサージを行います。胸椎のモビリティーを検査し、必要であれば関節を緩めて、ストレッチをしていきます。

・運動療法
炎症症状が悪化しないように関節可動域が確保出来たら運動療法を取り入れます。
鼠径部の障害に対する治療や予防には股関節内転筋の筋力改善と腹筋群の機能向上が効果的と研究結果で出ています。

そのため、サイドプランクや内転筋を強調したトレーニングなどを行いますが、トレーニングの仕方をお伝えするので自宅でもできるように自主性を促します。

グローインペイン症候群でお困りの方は是非、ご相談ください。